メタルブレスウオッチの革を使ったコマ延長レスキュー!

地方にお住いのお父様から頼まれたという方から、短くなったブレスウオッチをどうにか長くできないかとご相談をいただきました。

伺ったところお父様が就職をしたときにおじいさんから贈られた大切な思い出の時計だとのこと。長年の体系変化で腕に入らなくなって困っていて東京に住む娘さんに直せる店を探してほしいと依頼されたのだとか。

ちょうど父の日も近いとあって何とかしてあげようと銀座のWAKOさんをはじめ色んなお店に相談するもことごとく古い時計だからもうパーツがなく無理ですよと断られ続けたそうです。そこで巡り巡って当店に来店されました。

実際メーカーのパーツ保持期限は7年程度ですのでまず純正コマを使っての延長は不可能、うちがでできる事といえば革を使って何とかならないかに尽きるわけで「強度に不安はあるけど革でならやってみますよ」とお引き受けした次第です。

メタルブレスなのでやはり質感的に違和感がない方が良いと思いストックしてあったグレーのコードヴァンを表側に、無機質な感じがメタルと馴染みます。かなり精密な切り出しが必要ですがそこはPCで設計してレーザーで切り出せば完璧。画像にはありませんが一回り小さなパーツをプラシートで切り出して裏の牛革との間に挟んで強度保持を図りました。

これが完成図です。見た目も強度も完璧に仕上がりました!これで大切な時計をまた末永く使っていただけます。新しいストラップを製作するのも良いのですがこのような案件はやはり困っている方をお助けするという点からもやりがいのあるものです。

実はご本人様がいなかったので最初このくらい長くしてほしいといわれた通りにお造りしたところ、採寸が間違っていたらしく今度は長すぎて使えないということになりました。そこは乗り掛かった舟ですからもちろん適切な長さで再製作をさせていただきました。

純正ベルト、パーツが廃盤になってお困りの方、あきらめずに一度ご相談ください。できる限りのことはやります!

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